ガーッ(熊)

iphoneのアプリを買いました。enviro bear2010っていうゲーム。熊が車に乗って冬眠のために食べ物を探しに行くゲーム。たぶん。

熊は時々目を血走らせて叫ぶ。そうやってやりきれない思いを吐き出すんだ。水をたくさん吸い込んだタオルを絞るように。魚の骨がブレーキに引っかかってしまって、うまく運転できない。手をうんと伸ばして、アクセルを押す。足はどこかへ行ってしまったようだ。向こうから車がやってくる。誰が運転しているんだろう。茶色っぽいものが運転席に乗っているけど、目を凝らしてみてもそれが誰なのかは分からない。目だけがやたら印象的だ。みんな林の中を運転している。どの車にも運転手が独りだけ。すれ違っても目を合わせることはなく、話すこともできない。ただ、いつまでもすれ違い続ける。時折、かさこそと瘡蓋みたいな音を立てて、枯れ葉やラズベリーが車の中に落ちてくる。
そうして冬がやってくる。

永遠にすれ違い続ける熊達の上に、灰色の雪はただ降り積もる。魚の骨も松ぼっくりもスカンクも、茶色い毛皮の中に隠された冷たい石ころみたいな心も、何もかもを覆い隠していく。

そういういわゆるクソゲーです!