マーシュの三賢人

金曜日、夜に油山に行ったらイノシシが二頭いた。タクシーの運転手さんからお菓子もらってた。最初はこわごわ遠くから見てたけど、みんなわりと近寄ってるからわたしも近くで見てみた。街灯の下で顔はよく見えなかったけど、山の中はこういう生き物もわたしの知らないところで生活してるから、山はわたしの縄張りじゃないのだな…と思った。
土曜日は美容室へ行き、夜は焼き肉をおごってもらい、その後レイトショーでサマーウォーズを見に行った。映画始まるまで時間があったので、公園で遊んで、猫をなでまわし、ファミレスで飲み物を飲み、ヤングっぽい夏の夜を過ごした。映画はおばあさんが爆風で木っ端みじんになってないかが一番の懸念事項でした。数学が得意なひとはこれくらいの大事件が起きないと主人公になれないのだから、たぶん数学よりもっと別のことに熱中したほうがよいのだろう。
日曜日、カレッシーのアイホーンが届いたので一緒に受け取りに行って、そのあと川に遊びにいった。自分の電話をいろいろ触ってたら二回も間違い電話をしてしまったけど、それは全部アイホーンのせいだと言い張った。ごめーん。川では子供達が唇を紫にしてガチガチ震えながら遊んでました。川の水は冷たい。命を脅かすほどに。

ぼー。
しばらく遊んでから、車で移動していると湿地・marshlandという看板が出ていたので、すごく気になってマーシュマーシュ言いながら行ってみました。



湿地はすごく静かで、ベンチには三賢人っぽいおじさん三人が座っていた。板の通路をてきとうに歩いて、漫然と草が生えている藻が生えているという話をして、元の場所に戻ってきたら、その三賢人からマーシュランドのパンフレットを渡された。三賢人はマーシュの案内をしているようだった。わたしたちがボーと歩いていたのを見かねて、いろんな藻や食虫植物やトンボを紹介してくれました。わたしがひとくくりに草だと思っていたのが、全てちゃんと名前のある植物だったので、おかあさんのシャツの柄が水玉かと思ってたけどよく見たらエビの模様だったときのような気持ちになっていた。ありがとう、三賢人。わたしは草が激しく生えているようなところを歩きたがるので、そういうところはマムシのマムタンが出るからやめたほうがいいと忠告してくれた。イノシシがマムタンを食べるという話を聞いた。小さい虫の羽音と水が流れる音を聞いていると、膝の骨がねじ回しできれいに解体されるような感覚に陥ってしまい、濁った目で蛍光灯みたいな真っ白い花を見ていた。