アスピリンをかりかり

『マンガ漂流者(ドリフター)』第9回:真実から眼を背けることで想像力を掻き立てるマンガ家・鳩山郁子 vol.1|「少年」という器官を通して、幻想的な世界を築きあげる鳩山郁子。代表作『カストラチュラ』を例に上げ、難解とされる... - 骰子の眼 - webDICE
『マンガ漂流者(ドリフター)』第10回:真実から眼を背けることで想像力を掻き立てるマンガ家・鳩山郁子 vol.2|87年「ガロ」でデビューする以前に、鳩山郁子が投稿していた耽美派雑誌「JUNE」とは?鳩山の初期作品から作風の... - 骰子の眼 - webDICE
わたしは鳩山郁子さんの作品が本当に大好きなのです。けど、なかなかそういう気持ちを共有してもらえたことがないっていうか、わたしが語ると「完璧でとにかくすごい!」くらいしか言えず何がどう素晴らしいのかを伝えられないので、是非皆さんリンク先のとこ読んでください。そして一緒に全ツル連に入ろうよ…。わたしもサイン会とか行きたいよ…。カストラチュラの解説は「そーそー!」って思うとこがとても多くて全部引用したいくらい。特に「独特な美学に裏打ちされたテキスト」っていうのは、たとえば昔妹と夜にお茶を入れてゆっくりダラダラ過ごすとき「ニーモンとフォンミーをいれたお茶よ」とか言っていたくらいの影響力で、どの台詞も声に出して読みたい!
最初にカストラチュラを読んだとき、なんだか話の意味がよく分からないけど(わたしの頭のせいもあろうけど、やっぱり分かりにくいと思う!)ものすごく衝撃を受けて、何度も何度も繰り返し読んで、今でも頻繁に読み返す。読んでる間は作品の世界にすっかり入り込んでしまって、まるで他人の人生を過ごしてしまったような、人生っていうか動物でもティッシュでもなんでもいいのだが、別のものになってすごく長い時間を過ごしてしまったような気分になる。読んでる間は別のものに転生した気分。とにかく、まさにこんな↓感じ!!(ティッシュとか言ってないけど)

あたかも幻想小説を読むように、分からなくてもとりあえずその世界に入ってしまえばいい。とにかく、最期のページまでページを繰ること。そして、何度も読み直すこと。私たちの日常から乖離した理解し難い世界観を理解するには、訓練と努力が必要なのだ。その過程を経れば、次第に世界は色づきはじめ、恐ろしい中毒性と他では代え難い幸福な読書体験を与えてくれるだろう。